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院内ホルモン検査装置 アキュラシード導入

先日、富士フイルム和光純薬様に、免疫検査装置のアキュラシードの搬入・調整を、2日間かけて行っていただきました。
長丁場の作業で大変だったかと思いますが、無事搬入・調整が済みました。和光純薬様のスタッフの方々に感謝です!

実際見てみるとめちゃくちゃ大きいです。
非常に優れた機械で、大学病院などの大病院ではよく運用されているようですが、クリニックでの運用は少なく、神奈川県では2例目だそうです。大きすぎて搬入ができないことなどもあるみたいです。私の前職の横浜労災病院で使用歴があり、是非と思い導入させて頂きました。

アキュラシードのホルモン検査におけるメリットは、以下の3点が挙げられます。

1)10分で検査が出力される
待ち時間の短縮が期待できます。
よく内分泌のクリニックで導入されている検査装置は、結果の出力まで20~30分程度かかります。

※検査前に遠心分離という作業がどの検査装置で検査する場合も必要で、採血してから計20分後に結果が判明します。

2)レニンとアルドステロンが測定できる
高血圧の方に原発性アルドステロン症が隠れていないかを迅速に見つけることができます。
原発性アルドステロン症診療ガイドライン2021によると、高血圧の方全員に原発性アルドステロン症のスクリーニングを行うことが推奨されています。
しかし下記のように、スクリーニング・診断にそこそこ日数を要します。これが一因となって、スクリーニングがされていないことが多いです。

一般的に原発性アルドステロン症の診断の際は、
①受診→②安静採血(①と別日になることが多いです)→③(検査が外注で即日結果がでないため)後日結果説明
もし原発性アルドステロン症のスクリーニング陽性(原発性アルドステロン症かもしれない)となった場合
④負荷試験(カプトプリル負荷試験を行うことが多いです)→⑤(検査が外注で即日結果がでないため)後日結果説明
となり、スクリーニングに3日間、陽性の場合に負荷試験の結果説明まで5日間要します。
レニンとアルドステロンが院内検査できる施設では、これがそれぞれ2日間、3日間に短縮できます。

よって、レニン・アルドステロンを迅速に検査できるメリットは大きいと考えます。
大学病院や総合病院でも、レニン・アルドステロンの結果が即日判明するところは稀です。

3)2step法で検査できる
甲状腺ホルモン異常の中に、SITSHパターン(不適切TSH分泌)と呼ばれるものがあります。
甲状腺ホルモンの検査結果がSITSHパターンとなった場合は、間隔をおいて再検査したり、当初の検査が1step法で検査をしていた場合は、2step法での再検査が推奨されます。最初から2step法で検査をしていれば、この手間が省けます。

以上のように様々なメリットがあります。当院における内分泌内科の診療の主戦力になってくれると思います!

当クリニックでは、アキュラシードを使用して、
・レニン・アルドステロン
・TSH・FT3・FT4(甲状腺ホルモンの検査)
・TRAb(Basedow病の抗体の検査)
・ACTH・コルチゾール(副腎皮質機能低下症やクッシング症候群の検査)
の検査を行うことができます。内分泌内科を標榜するクリニックとして、迅速な診断と、適切な分析を心がけていきます。