フットケア外来とは
糖尿病の合併症として、糖尿病性神経障害や末梢動脈疾患が知られています。また、糖尿病があると、免疫機能が低下します。これらは以下のように様々な機序で、足の変形、潰瘍(皮膚が傷ついてえぐれたようになること)、ひいては壊疽といった、糖尿病性足病変を引き起こします。
- 末梢神経障害:足の感覚が低下し、けがや火傷に気づきにくくなる。足の発汗が減少して、皮膚に亀裂が入りやすくなる。足の感覚が低下して、足指に関節に負担がかかりやすくなったり、足の筋肉が萎縮することで、足が変形し、足の裏に負担がかかりやすくなる。
- 末梢動脈疾患:足先の血流が悪くなり、傷が治りにくくなる
- 免疫機能の低下:感染に弱くなる
糖尿病性足壊疽では下肢の切断が必要になることがあり、生活の質を大きく低下させます。従って、糖尿病性足病変を早期発見・早期対応することが重要です。
フットケア外来では、糖尿病のある方の足の評価や処置、セルフケアの指導をさせて頂きます。
フットケア外来の対象となる方
糖尿病の診断を受け、下記のいずれかの条件を満たされる方で、糖尿病性足病変の指導の必要があると判断される方が対象となります。
- 足潰瘍、足趾、下肢切断の既往がある
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閉塞性動脈硬化症がある
- 糖尿病性神経障害がある
フットケア外来の具体的な内容と費用
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視診・触診による皮膚の状態・血流・変形のチェック
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モノフィラメント検査・振動覚検査などを用いた感覚障害の評価
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胼胝(たこ)や鶏眼(うおのめ)の処置
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爪のケア(肥厚爪・巻き爪の処置など)
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足に適した靴の選択方法の指導
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セルフケアの指導(足の観察、保湿ケア、トラブル時の対応など)
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必要に応じて専門医・訪問看護との連携
費用は、3割負担で510円/回、2割負担で340円/回、1割負担で170円/回となります。
終わりに
フットケアは「足を守る」だけでなく、「生活の質を守る」支援でもあります。
セルフケアを行い、「いつもと違う」サインを見逃さないことが大切です。
特に、糖尿病の方の足の問題は「早期発見・早期対応」が何よりも重要です。
「まだ大丈夫」ではなく、「今のうちに予防しよう」という意識が、将来の足を守る第一歩となります。
足のしびれ、痛み、乾燥、爪の変形、タコ・魚の目、靴ずれなど、少しでも気になる症状がある方は、ご遠慮なく、スタッフまでお声掛けください。