InBody
内覧会で数多くの方に利用して頂き好評を頂いた、InBodyについて説明します。
InBodyは体組成計の一種で、四肢と体幹の部位別の脂肪量・筋肉量を見ることができます。フィットネスクラブなどで設置されているのをよく見かけますが、医療においても体組成を用いた分析・研究に数多く使用されています。約1分で体組成を測定することができ、結果は用紙で出る他、InBodyのアプリをお持ちの方はアプリで結果を見ることができます。
※InBodyは、体液量異常をきたす疾患がない場合は保険適用外です。通常の糖尿病や肥満症では保険適用になりません。
当院では自費診療として、600円/回でInBodyを利用できます。
結果は以下のような形で出てきます。
これは私のInBodyの結果です。一つ一つ見ていきましょう。
①体組成分析
体は体水分・タンパク質・ミネラル・体脂肪から成り立っています。この項は、脂肪や筋肉等の量が割り出されているという程度の理解で良いと思います。
②筋肉・脂肪
体重量と、筋肉量、体脂肪量が記載されています。
私は体重と体脂肪量が多く、筋肉は正常範囲です。各棒グラフの右端を結ぶと「C」の文字に近い形になります。「過体重虚弱型」の分類となります。脂肪が多く、体重を支えるのに少し心もとない状態です。
③肥満指標
BMI(体重を身長の2乗で割ったもの)と体脂肪率が記載されています。
私はBMIも体脂肪率も両方高いので、分かりやすい肥満ですが、中にはBMIが正常範囲であっても体脂肪率が高い、「隠れ肥満」の方がいらっしゃいます。
④部位別筋肉量・脂肪量
四肢・体幹の部位毎の筋肉量・脂肪量が記載されています。適切な筋肉量・脂肪量に対する、実際の筋肉量・脂肪量の割合が%で記載されています。
私は各部位の筋肉量は正常範囲ですが、腕の筋肉量がやや少なめです。また、右腕の筋肉量が左腕よりやや多く、不均衡になっています。私が右利きで硬式テニスをやっていたことが関係していそうです。
例えば糖尿病の方では、下肢の筋肉量が比較的減りやすい傾向にあります。
⑤体水分均衡・位相角
細胞外水分比が記載されています。体の中の水分は細胞内液と外液に分けられますが、体の中の総水分量のうち、細胞外液量の割合を示しています。
私は正常ですが、心不全・腎不全や、低アルブミン血症(低栄養状態)などがあると、この数値が高くなります。細胞外水分比が高いと、筋肉量が高く出てきてしまうので、その分筋肉量を割り引いて考える必要があります。
位相角は、栄養状態や運動パフォーマンスと相関する指標です。明確な基準値は存在しませんが、経過観察に用います。
⑥骨格筋指数
四肢の骨格筋量の和(kg)を身長(m)の2乗で割ったものです。サルコペニア(加齢に伴い筋肉量が減少した状態)の指標に用いられます。男性は7.0以下、女性は5.7以下でサルコペニアと診断されます。
サルコペニアは、フレイル(心身の機能が低下した、要介護の1歩手前の状態)の原因となります。糖尿病はサルコペニアを引き起こし、サルコペニアは糖尿病を悪化させるという悪循環があります。
⑦インピーダンス
測定が問題なく行われたかを見るものです。グラフ下が[000/000/000]でなければ、再測定が必要です。
このようにInBodyは、体組成の評価を詳細に行うことができます。そして、運動療法の効果の実感や、サルコペニアの早期検出に役立つと考えます。
InBodyが運動療法のきっかけや、持続のモチベーションになると良いと考えます。
体組成が気になる方は、是非InBodyを利用してみてください。