副腎皮質機能低下症は診断が遅れやすい
副腎皮質機能低下症は、コルチゾールという副腎皮質ホルモンの分泌が低下する病気です。
副腎が原因でコルチゾールの分泌が低下する「原発性副腎皮質機能低下症」と、視床下部-下垂体からコルチゾールを分泌するよう指令するホルモンの分泌が低下して、コルチゾールの分泌が低下する「中枢性副腎皮質機能低下症」に大別されます。
有病率は、原発性副腎皮質機能低下症については国内で約1000人程度と言われています。
中枢性副腎皮質機能低下症については国内のデータは(おそらく)ありませんが、世界的には100万人あたり150~280人と言われています。
両者ともに比較的稀な疾患である一方で、症状は倦怠感、食欲低下といった、非特異的なものが多く、診断が遅れやすいと言われています。
今回は、副腎皮質機能低下症の症状の頻度、症状が出現してから診断されるまでの期間、正診までに受診した医師の人数、誤診の内訳について、ある研究から引用したものを紹介したいと思います(Bleicken B, Hahner S, Ventz M, Quinkler M. Delayed diagnosis of adrenal insufficiency is common: a cross-sectional study in 216 patients. Am J Med Sci. 2010 Jun;339(6):525-31.)
※日本人を対象とした研究ではなく、医療の体制も国ごとに異なるので、必ずしも日本人に完全にあてはまるわけではないことに注意してください。
〇症状の頻度

非特異的な症状が多いようです。
〇症状が出現してから診断されるまでの期間

(縦軸:副腎皮質機能低下症と正確に診断された患者の割合、横軸:診断までの期間(月))
症状出現から6か月以内の診断は、女性<30%、男性<50%でした。20%が5年以上未診断のまま経過。女性は男性より有意に遅い傾向でした。
〇正診までに受診した医師の人数

初診医で正診は15%のみで、少なくとも3医師に受診は67%、5医師以上も30%にのぼります。
〇誤診の内訳
| 誤診(合計) | 精神科系疾患 | 消化器系疾患 | その他の疾患(心血管・腫瘍など) |
|---|---|---|---|
| 68% | 41% | 21% | 46% |
精神科系疾患と誤診される率が高いようです。特異的な症状がないことが原因かもしれません。
他、消化器系疾患と誤診される率が高いようです。食欲低下や悪心(吐き気のこと)、体重減少を伴うことがあるのが原因かもしれません。
以上のように、副腎皮質機能低下症の診断は遅れやすいようです。
比較的稀な疾患ではあるため、検査をしても副腎皮質機能低下症の診断には至らないことが多いのですが、日々の体調不良の原因が分からずもやもやするよりは、検査をして白黒つけた方がいいかもしれません。














